セネガル渡航記
 

<おせちでなく、ステーキを・・・>

 新年の朝を静かに迎える。朝7時前に起きるが、外は暗いながらもどんよりとした曇り空に埋め尽くされているのが分かる。実際、明るくなってきたのは朝9時過ぎであった。ホテルの朝食は今朝はやっていないとのこと。それは困った、やむを得ないから、朝の散歩がてらカフェでのんびりしようかと思いホテルを出る。前夜の大騒ぎの客らしき人々がちらほら、徹夜明けで歩いているが、開いている店はほとんどない。前夜「明日はニューイヤーですから、何も、どこもやっていませんよ」と言われたことを思い出す。

 歩く、ひたすら歩く、風はなく、時折霧雨が舞い降りるが、濡れることはない、新年の気持ちの良い朝である。でも、でもない、空いて開いているカフェがない、さらに歩く。ふと見るとレストランがある、カフェではない、フルコースが出てきそうなレストランである。おお、朝からやっているのか、いや違う、朝までやっているのだ。時計を見ると8時、いや24時間営業のようだ。外から窺うと、そのテーブルには何と!朝から肉料理が出ている!? どうする、入ろうか、ハンバーガーみたいのはあるだろうか、思い悩む。

 結局、にこりと「ボンジュール」と挨拶をして着席。フランス語は読めないからイングリッシュメニューを頼む。おい、やはりコースメニューばかりだ、えい、覚悟だ、「朝からステーキなるものを食すこと」を一度やってみたかった。焼き方は?うむ、ミディアムだな、ワインとともに頼む。後は本を読みながら出てくるのを待つ。出てきた、このぐらいなら食べられる。おお、マッシュルームソースも美味しい、幸せの肉の味だ、ペッパーが利いてうまい、さすがに添え物のポテトは食べきれない。
 「あの、ワインをもう一杯」、頼んでしまった。

<眼鏡の蔓が・・・不吉な?>

 食事を終えて通りに出る。一旦ホテルに戻るつもりであるが、ああ、パリの風が、ワインで赤らんだ顔に優しく吹き付ける。ダカール行きの飛行機の出発時間は午後4時半、3時間前に行くとしても、午後1時時近くまでどうやって過ごすべきか考えあぐねる。チェックアウトは11時ということで、まずは片言の英語でフロントのお姉ちゃんと話して荷物は預かってもらい、タクシーを呼んでもらう交渉が成立した。

 2度目の散歩出発は11時。ふと手を耳の横に当てると、あ、いけない、めがねの蔓が折れている、不吉な予感だ、出発までの時間をめがね屋探しに費やす。またまた歩く、歩く、あちこち、パリミキ、免税店、やはり、やはりやっていない、どこも、どこも店のほとんどが閉まっている。予備のめがねを持っていたが、そうだ、ダカールにはめがね屋ぐらいはありそうだな、いやセネガル人でめがねをかけている人はあまり見たことがない・・・。結局あきらめ、疲れた足を休めるためカフェに入った。

 午後1時前、途中の道が混雑していなかったため、思ったより早くドゴール空港に到着。重い荷物から解放されたくチェックインをお願いするが「13時半からよ」とすげなく言い返される。その後、多額のエクセスチャージを覚悟して預ける。優しい声で「20kgオーバーで3万円です」「え?そんなに安いの?」と驚きの声を上げそうになる。おいおい、11月の成田空港のエールフランスでは20万円近くとられたのに。

 16時半前、ドゴール空港Cエリアからセネガル、ダカール行きの飛行機に乗り込んだ。手荷物はパソコンの入ったショルダーバッグ、エクセスチャージを出来る限り安くするために重くした大きな黒の旅行バッグが二つ、およそ30kg相当と見られる。荷物との闘いは続く。時差1時間、およそ6時間のフライトである。

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