ダカール滞在記
 

<人の心を呑み込む>

 1月1日16時30分、ほぼ定刻にドゴール空港を離陸したダカール行きのAF718便は、夜9時過ぎにダカール空港に無事到着した。ダカールの漆黒の空に古ぼけた空港ビルが現出する。空港ビルに直結する搭乗ゲートはなく、たった十数mをバスで移動する。
 タラップを降り、ふと空港ビルを見やると、何か既視感にとらわれる。それがどこか思い出そうとするが、決して11月に来たときに見た光景ではない。そうだ、1997年にベトナムのホーチミンの空港に降り立った時に見た、あの混沌とした国の猥雑感と同じではないか。あの時はベトナムのホーチミン、タイのバンコク、ミャンマーのヤンゴン、マレーシアのペナン、クアラルンプールを巡ったが、まさに発展途上国の持つ不可思議なエネルギーをここでも感じられた。

 11月に続いて2度目のダカール訪問である。前回の訪れは右も左も分からず、空港では背が高くて黒い人々に囲まれ、多大な威圧感に襲われた。初めての国を訪れる時は結構気を遣うし、疲れることが多い。これまで何十回も海外の空港を利用しているはずなのに。空港では様々な人々が行き交い、言葉が飛び交う。入国審査と税関検査を経てその国の“文化の入り口”に立つが、空港という生き物は人の心や気持ちを一時呑み込んで、そして、街の中にはき出していく。そこには何か洗脳、浄化する意思が潜んでいるように思える。

<牡蠣にシャブリにサンセール>

 空港から約30分で自宅に着き、夜遅いながらも重い重い荷物をほどき、仕分けして収納していく。何度、色々なものをクーリエしてきたことであろうか。妻が海外で生活するようになって、パスポートと航空券だけを持って成田に向かうのが夢であったのに。

 1月2日、12月から続いていた喧噪から抜け出て、久しぶりのノンビリ休日となる。昼からは妻がクリスマス時、パリに出張した時に買い置きし牡蠣を食し、サンセール、シャブリのワインを味わう。
 午後からは、今回持参したIBMのパソコンTHINKPAD240と11月に持参したA30の各セッティング作業を行う。どうしてインストール作業はこうも面倒なのだろうか。また、パソコン及び周辺機器の使い勝手の悪さはあきれるほどである。市場に出る普及商品は安定性、確実性、廉価性が大切なはずなのに。どうしてもあのキャッチを思い出し、パソコンメーカーに腹が立ってくる。「簡単接続、一発でインターネットが楽しめる」。これだけ習熟していると思われる私でも、その設定はかなり手間がかかる。
 誇大表示違反が適用されないのか!?

 3ヶ月のセネガル生活が始まった。

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