ダカール滞在記
 

<雑然としたダカールの街>

 ダカールの街は人と車それに羊や馬、砂とゴミが入り混じり、まさに雑然としている。商店に入ってもひたすら埃っぽく、棚の商品にも埃がたまっている場合が多い。大きなスーパーマーケットは輸入物が中心の「SCORE」という店のみで、スーパーと言いながら値段が高い。いわば日本での紀伊国屋、明治屋とも言える。
 町中にコンビニと思われるミニ雑貨ショップはあるが、チェーン展開されたコンビニではない。この他に輸入食材、飲料を扱う小さなTAXショップが2軒ほどあり、こちらの値段はSCOREより安くなっている。一方、マクドナルドもケンタッキーもなく、地元の人間が始めたと思われるハンバーガーショップが数軒のみである。

 スーパーや商店では同じものが常にあると限らない。ある時に出来るだけ買い置きしないとならない。一度売れてしまうと次の輸入時期まで手に入らないから、欲しい時に手に入れるのは大変である。売れ筋だとかの観念は通じない、ひたすらお店を、マルシェを覗き、ある時に買ってしまうしかない。食料品などは日持ちがしないから、どこまで買えばよいのか考え込んでしまう。

ダカールの街角
ダカールの街角
道沿いには羊が
道沿いには羊が

<マルシェからバナバナまで>

 途上国の醍醐味はマルシェ=市場探訪にあると言われているが、低価格の商品を眺めているだけでも面白い。基本的に物価は外国人向けと現地向けの二重価格になっている。
 ここダカールには外国人向けといわれるKERMELという市場=マルシェがある。八角形の建物をしており、外側から野菜果物、魚、肉の順に丸く取り囲んでおり、地下には冷凍倉庫があるという。活気があり、私こと主夫の主な買い物はここで行っている。
 現地人向けのサンダカは混然一体、食料品から雑貨、機械部品等々どこから流れてきたか分からないものが並べられている。主に野菜、衣料、魚、肉等々がひしめき合って並べられ、1店当たりは一畳分もないほどである。
 なお、肉類は羊と牛が中心で、イスラムのため豚肉はほとんど手に入らない。何故か鶏肉も少なく、卵はあまり新鮮ではなく、雑菌が含まれているため生卵は食べない方が良いと言われている。そんな時ほど“生卵ご飯”が食べたいと思うのは何故であろうか。

 街を歩くと、バナバナと呼ばれる物売りの人々が数多く見られる。それに缶を持った物乞いの少年少女たちである。バナバナは老若男女至る所に現れ、車に乗っていても停車すると必ず寄ってくる。その時は一切無視をするか、手を左右に振って拒否の姿勢を見せると離れていく。時には関西弁をしゃべりながら近寄ってくるものもいるらしい。
 その頭や手には電池・靴下・果物・テッシュ等々日用品から雑貨まで乗せられており、それぞれ小分けして売り歩いている。何でもありの世界であり、基本的にすべて粗悪品である。どうやら、レバノン人や華僑の人たちがまとめて仕入れたものを、小分けして売り歩いているらしい。中にはひと月分の給料に当たる金額を一日で売るものもいるらしい。何せ約3万セーファー=5000円から8000円がこの国の一人当たりの月収である。


マルシェ(KERMEL)

ダカールの土産屋

<現地の日本人>

 セネガルの日本大使館はガンビア、ギニアビサウ、マリ、モーリタニア、カーボヴェルデの各大使館を兼轄している。
 年明け早々、多くの日本人を招待して大使公邸で餅つき大会が行われた。いわば現地日本人の交流の場であり、そこで出される日本食は彼らにとって大いなる楽しみである。セネガル在留日本人は在留届けが出されているだけで約150人と言われている。主な在留者はJICA=国際協力事業団の関係者、海外青年協力隊、政府のODA事業を請け負う建設業者や商社がほとんどで、後は大使館関係者の家族である。

 ところで、妻とのゴルフ仲間にはこちらで機械修理事業を営んでいる親子がおり、この娘さんは資格をとって父親の手伝いをしているが、ゴルフでは男性並みに飛ばして驚かせている。また、セネガル人男性と結婚してこちらに住んでいるたくましき女性もいる。日本が援助して国費留学生になり、日本とアメリカで博士号まで取り、大使館職員になった方の奥さんもいる。

 1月24日、これまで日本に送り出したセネガル人留学生を集めての夫婦でのパーティが開かれた。この時参加した夫婦6組の中に20代半ばと思われる女性が突然現れ、皆をびっくりさせたが、何故ならこの女性は在留届けを出していなかったからである。
 日本の援助による国費留学生は毎年、このセネガル大使館の管轄で2〜3名出しているが、ほとんどがこの国に戻ってきていないという。何を無駄な税金を使ってと思われるかもしれないが、この国にはまだまだその知識を生かす職種が少なく、生活も日本の方が便利であるから、そのまま住み着くセネガル人が多いという。これがこの国の現状である。


手にタトゥーを描くセネガル人女性

パーティーに集まった日本人
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